先日はリハスタッフ向けの技術勉強会を開催しました。
今回は【胸椎椎間関節の回旋】です。胸椎は肩関節挙上に大きく関わっています。今回の治療を行うことで肩関節挙上角度は簡単に10~20°改善することができます。
また、起き上がり動作時の体幹回旋運動が生じやすくなり、起き上がり動作がスムースに行えるようにもなります。
スタッフも効果を感じながら実技練習を真剣に取り組まれていました(#^^#)
少しでも利用者様の日常生活動作の改善を図れるように努力してまいります。
先日はリハスタッフ向けの技術勉強会を開催しました。
今回は【胸椎椎間関節の回旋】です。胸椎は肩関節挙上に大きく関わっています。今回の治療を行うことで肩関節挙上角度は簡単に10~20°改善することができます。
また、起き上がり動作時の体幹回旋運動が生じやすくなり、起き上がり動作がスムースに行えるようにもなります。
スタッフも効果を感じながら実技練習を真剣に取り組まれていました(#^^#)
少しでも利用者様の日常生活動作の改善を図れるように努力してまいります。
前回、摂食・嚥下に対するPT・OTの関わりについてお伝えさせて頂きました。今回は、食事時の姿勢、環境設定のついてPT・OTが介入できることをお伝え致します。現在、食事は自力で行えているが、今の姿勢で本当に良いのか?などの疑問が少しでも解決できたら幸いです。
<食事姿勢のポイント>
①頭が軽く引けている(右図)
・咽頭から気管へ角度がつき、食道に食べ物が流れやすくなる。
・顎と胸の距離は指3~4本入るくらいの前屈角度が適切である。
②足底全体が床に接地している
・足底が床に接地することで、しっかりと「噛む」ことが可能
・接地していないと、咀嚼力が15~20%低下すると報告がある
・高齢者は咀嚼力がそもそも低下傾向にある
③テーブルとイスの高さが適切である
・テーブルの上の食べ物が少し見下ろせる高さのイスが良い
・自然に頚部が前屈でき、顎と胸の距離が指3~4本入る角度になる高さが適切
食事の際、何に座っているかは人によって様々であると思われます。イス、車椅子、ベッド、正座など 環境の違いにより、適切な姿勢でないことも、見受けられます。姿勢によって、食事が「楽しみ」から「苦 痛」になることもあります。例えば、食事時間が長く疲れる、胃の圧迫感、姿勢崩れによる痛みなど、姿勢 によって良好な嚥下を妨げる要因にもなります。キラットでは、食事時の環境設定、車椅子調整などが できるように、スタッフ一同、話し合いながら取り組んでいきます。是非、お声掛け下さい。 |
前回、低温ヤケドに対する対処方法についてお伝えさせて頂きました。今回は理学療法士、作業療法士が摂食・嚥下障害のリハビリテーションに、どのように関わることができるかについてお伝え致します。
〈摂食・嚥下〉
①先行期:飲食物の形や量、質などを認識する。食事という行為を「理解」できる必要がある ②準備期:飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする ③口腔期:飲食物を口腔から咽頭に送り込む 嚥下 ⇒ ④咽頭期:飲食物を咽頭から食道に送り込む 嚥下 ⇒ ⑤食道期:飲食物を食道から胃に送り込む |
*①~⑤のどの段階で支障が生じているかを分けてみることで対応、指導、訓練内容が変わってきます。理学療法士・作業療法士では③口腔期への介入が一部可能です。介入によって、 ④咽頭期がスムースに行える環境を整えることが大切になってきます。
〈嚥下と姿勢について〉
嚥下(ゴックン)する際、頭の位置が肩より前方にあると、前頸部筋が緊張状態になる為、嚥下に不利な状態となります。高齢者に多い、円背(猫背)姿勢は頭の位置が前方になるため、嚥下に影響を与えます。
嚥下は頚部の緊張を取り、嚥下諸器官の動きをスムースにする、呼吸を安定させる、覚醒を促すことが重要になってきます。理学療法士、作業療法士は円背姿勢の修正、前頸部筋群の筋緊張緩和、嚥下筋群の筋力向上などの介入が行えます。嚥下機能向上には姿勢の修正、嚥下筋、体幹筋などの筋力面への介入が必要不可欠です。言語聴覚士による嚥下介入と連携することで、より効果的な関わりが行えると認識しています。 |
前回、リハビリテーションについてお伝えさせて頂きました。今回は高齢者の日常生活で起こりやすい低温ヤケドについてお伝えします。利用者様への対応の一助になれば幸いです。
〈低温ヤケド〉
高齢者の方で多いのが、湯たんぽ、電気あんか、こたつ、ハロゲンヒーターなどでの低温ヤケドです。低温ヤケドの見た目は皮膚が少し赤くなる、痛みがある、ヒリヒリする状態です。皮膚は以上がなさそうに見えても、その下の脂肪組織が大きなダメージを受けている場合があります。湿潤療法(湿潤療法用の絆創膏を貼る、ない場合は食品包装ラップに白色ワセリンを塗り、塗った側を患部に当て、ラップがずれないように固定し、包帯を巻いておく)をしても痛みが出たり、腫れてくるならすぐに病院への受診が必要です。
〈なぜ、高齢者に多いのか?〉
加齢に伴い、皮膚にある神経細胞の数が減るため、温度、圧力や痛みに対する感受性が低下することが原因の一つとされています。
〈低温ヤケドのメカニズム〉
長時間温められると皮膚だけでなく、その下にある脂肪細胞まで熱が伝わって行きます。皮膚表面は血液循環によりひやされやすい傾向にありますが、深部の脂肪細胞は血流量が少なく冷やされにくいため、ヤケドを起こしてしまいます。
低温ヤケドは脂肪細胞のような皮膚の深いところで起こる為、重症化しやすい症状です。やけどのレベルは4つに分けられ、重症度によっては細胞組織が壊死することもあります。そもそも低温ヤケドにならないように、湯たんぽなら厚いタオルを巻いて表面温度を下げておくことや、カイロで靴下用を靴を履かない状態で使用すると酸素供給が多くなり、温度が上がり低温ヤケドを起こしやすくなります。同じ箇所を温めすぎないように注意が必要です。些細なことでお相談頂けたら、対応させて頂きます。 |
前回、リハビリテーションについてお伝えさせて頂きました。今回は自宅現場で遭遇もしくは相談を受けることがある傷口に対する対処療法についてお伝えします。看護師さんの分野ですが、訪問看護師が導入されていないケースもあると思いますので、知識の一助となり、連携が取りやすくなれば幸いです。
〈傷口に消毒薬を使ってはいけない〉
転倒して膝を擦りむいた場合、昔から傷口に消毒液→ガーゼを当てる→絆創膏で留める。この方法は間違いのようであり、「消毒をしない」「乾かさない」を原則とする湿潤療法が最新の治療方法です。
*消毒するとばい菌以外に人体細胞の菌も殺してしまい、消毒すればする程、化膿しやすくなります。処置する前に水道水でしっかりと洗います。
〈傷は乾燥させると治りが遅くなる〉
傷口を乾かすとかさぶたになります。かさぶたは組織が死んだものであり、生き返ることはありません。かさぶたを作らないことが早く治す為の正しい方法になります。湿潤療法を実践する為には、専用の絆創膏を貼るか、食品包装用ラップに白色ワセリンを塗ったものを患部に付けておきます。
*指先を切ったとき、傷口を舐めたり、指をくわえておくと痛みが治まるのは、傷を乾燥させる、空気に触れることが良くない証拠であると言えます。
〈傷口はヌルヌルさせておくのが正しい治療法〉
湿潤療法を行うと、傷口からジュクジュクと浸出液が出てきます。この浸出液は細胞成長因子と呼ばれる物で、細胞を増やし、細胞の機能を活性化する役目があり、傷が治るのに必要な細胞が生み出されています。通常は1日1回(夏場なら2~3回)、傷の周辺を洗い、同様の方法でラップ交換を行います。
湿潤療法は”消毒をしない” ”乾かさない”が原則です。感染がみられる傷(傷の周囲が赤くなっていたり、膿をもっていたり、熱や腫れなど)や感染を起こす可能性がある傷(深い刺し傷、動物に噛まれた傷)は受信を強く勧めます。受信するか迷われる場合、処置の方法が合っているかなど訪問看護師に相談頂けたらと思われます。キラットでは訪問看護師による訪問を積極的に行っています。些細なことでもご相談いただけたら、対応させて頂きます。 |
〈リハビリテーションとは〉
リハビリテーション(rehabilitation)はre(再び)、habilitation(適した)、すなわち「再び適した状態になること」の意味を持っています。再び適した状態とは、その人らしい生活を再獲得することととられます。
*脳性麻痺など生まれながらの児の障がいにおいては、獲得した生活動作(例えば寝返り)がない状態であるならば、re(再び)ではなく、habilitation(適した)と言葉を用いるべきでないかという声はありますが、リハビリテーションという言葉で真に合わせているのは事実です。
〈なぜリハビリテーションが必要になったのか〉
医学では病気、ケアを治すことができるが、治療の後は体に不自由が残り、日常生活や社会参加ができない場合も多々あります。その人が自立し、活動的な生活が送ることができるように、再びその人らしい生活に戻る為にもリハビリテーションの必要性が出てきました。
〈リハビリテーションを専門家(PT・OT)が行う意義〉
PT・OTは日常生活動作の回復を図る専門家です。なぜ日常生活動作ができないのか、どの様にしたらできるようになるのかを専門的に分析対応します。日常生活動作の維持や改善に違いが生じてきます。
リハビリテーションは単なる機能訓練ではなく、その人の自立した生活状況に戻れるように回復を図り、困難な場合でも、適応できる代償手段を見つけ提案・訓練をしていきます。また社会参加まで結びつけることができる体系的なものであると捉えています。PT・OTの専門性を発揮できる分野ですので、他職種との連携を今以上に取り、専門性を発揮していきます。