前回、リハビリテーションについてお伝えさせて頂きました。今回は高齢者の日常生活で起こりやすい低温ヤケドについてお伝えします。利用者様への対応の一助になれば幸いです。
〈低温ヤケド〉
高齢者の方で多いのが、湯たんぽ、電気あんか、こたつ、ハロゲンヒーターなどでの低温ヤケドです。低温ヤケドの見た目は皮膚が少し赤くなる、痛みがある、ヒリヒリする状態です。皮膚は以上がなさそうに見えても、その下の脂肪組織が大きなダメージを受けている場合があります。湿潤療法(湿潤療法用の絆創膏を貼る、ない場合は食品包装ラップに白色ワセリンを塗り、塗った側を患部に当て、ラップがずれないように固定し、包帯を巻いておく)をしても痛みが出たり、腫れてくるならすぐに病院への受診が必要です。
〈なぜ、高齢者に多いのか?〉
加齢に伴い、皮膚にある神経細胞の数が減るため、温度、圧力や痛みに対する感受性が低下することが原因の一つとされています。
〈低温ヤケドのメカニズム〉
長時間温められると皮膚だけでなく、その下にある脂肪細胞まで熱が伝わって行きます。皮膚表面は血液循環によりひやされやすい傾向にありますが、深部の脂肪細胞は血流量が少なく冷やされにくいため、ヤケドを起こしてしまいます。
低温ヤケドは脂肪細胞のような皮膚の深いところで起こる為、重症化しやすい症状です。やけどのレベルは4つに分けられ、重症度によっては細胞組織が壊死することもあります。そもそも低温ヤケドにならないように、湯たんぽなら厚いタオルを巻いて表面温度を下げておくことや、カイロで靴下用を靴を履かない状態で使用すると酸素供給が多くなり、温度が上がり低温ヤケドを起こしやすくなります。同じ箇所を温めすぎないように注意が必要です。些細なことでお相談頂けたら、対応させて頂きます。 |