摂食・嚥下に対するPT・OTの関わりについて

 

前回、低温ヤケドに対する対処方法についてお伝えさせて頂きました。今回は理学療法士、作業療法士が摂食・嚥下障害のリハビリテーションに、どのように関わることができるかについてお伝え致します。

 

〈摂食・嚥下〉

     ①先行期:飲食物の形や量、質などを認識する。食事という行為を「理解」できる必要がある

     ②準備期:飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする

     ③口腔期:飲食物を口腔から咽頭に送り込む

嚥下 ⇒ ④咽頭期:飲食物を咽頭から食道に送り込む

嚥下 ⇒ ⑤食道期:飲食物を食道から胃に送り込む

 *①~⑤のどの段階で支障が生じているかを分けてみることで対応、指導、訓練内容が変わってきます。理学療法士・作業療法士では③口腔期への介入が一部可能です。介入によって、  ④咽頭期がスムースに行える環境を整えることが大切になってきます。

 

 

 

〈嚥下と姿勢について〉

 嚥下(ゴックン)する際、頭の位置が肩より前方にあると、前頸部筋が緊張状態になる為、嚥下に不利な状態となります。高齢者に多い、円背(猫背)姿勢は頭の位置が前方になるため、嚥下に影響を与えます。

 嚥下は頚部の緊張を取り、嚥下諸器官の動きをスムースにする、呼吸を安定させる、覚醒を促すことが重要になってきます。理学療法士、作業療法士は円背姿勢の修正、前頸部筋群の筋緊張緩和、嚥下筋群の筋力向上などの介入が行えます。嚥下機能向上には姿勢の修正、嚥下筋、体幹筋などの筋力面への介入が必要不可欠です。言語聴覚士による嚥下介入と連携することで、より効果的な関わりが行えると認識しています。